探究授業に立ち合い、生徒たちの様子を見ていると、まず自由に問いを立てることの難しさに直面します。
探究テーマを決める際、普段の生活で疑問に感じていることや問題、さらには「こんなことをしてみたい」といった願望を自由に話し合うことが求められますが、実際にはなかなかアイデアが出てこないのが現状です。
生徒たちが最初から無理だと諦めてしまったり、問いを立てるための知識や経験が不足している場合も多々あります。
このような状況で、例えば新聞記事で目にした「フードロス」というキーワードから、フードロス問題の解決をテーマに選定しても、今度は具体的な解決策を描くことができず、単に「フードドライブを利用しよう」といった一般的な提案で終わってしまうことが多いのです。
このような場合には、生徒たちの状況を踏まえ、あえて手の届きそうな複数のテーマを提示することが有効です。
これにより、生徒は探究プロセスを一通り体感する機会を得ることができます。その後、実際に考えるステップを踏むことで、自分たちの興味や関心をもとに新たな問いを立てる力を育むことが可能になります。
このアプローチにより、生徒たちはより主体的に学び、自分たちの意見やアイデアを持つことができるようになります。探究授業を通して、自由な発想と探求心を育むことは、将来の問題解決能力の向上にもつながるのです。