兵庫県尼崎市の鋼板加工会社「早川鋼板工業」は、従業員二十名。売上の九割近くを一社に頼り、その取引先の言い値で仕事を受けてきました。支払いは翌々月末。営業も見積も図面も経理も、ほとんどを社長一人でこなしています。
中小企業診断士の上田は、社長と一緒に、施主から自社までの仕事の流れを一枚の紙に書き出しました。そこでわかったのは、会社が業界の階層の一番下にいて、どれだけ頑張っても利益が残りにくい位置で戦っているという事実でした。
上田が提案したのは、新しい営業担当を雇うことでも、テレアポで新規開拓することでもありません。今の取引を守りながら、仕事を受ける「ポジション」を変えることでした。
細かい原価計算ではなく、A4一枚の「ざっくり利益試算」で粗利を見える化する
値引きを言われたときの「一言」を変える
仕入先や現場の仲間に紹介を頼み、会社の外に「営業部」をつくる
困ったときに頼ってきた協力会社を束ねて、ワンストップで受ける体制にする
言い値で仕事を出してきた発注元を、一緒に上を目指すパートナーに変える
地元の建設会社と組み、施主に近い位置で、自社の工夫を提案する
社長の時間を増やさず、今あるものだけを組み合わせて、会社は少しずつ変わっていきます。
本書は、筆者が実際に支援してきた事例をもとに、一年間の取り組みを物語として描いたものです。章のあいだには、読者が自分の会社で試せる手順をまとめた「上田の支援ノート」を収録しています。巻末には、すぐに使える利益試算シートと打ち手のチェックリストも付けました。
こんな方におすすめです
売上の大半を一社か二社の取引先に頼っている
言われた値段で仕事を受けるしかなく、利益が残らない
営業も見積も経理も、実質的に社長一人で回している
新規開拓をしたいが、何から始めればいいかわからない
協力会社や取引先と組んで、新しい仕事に挑戦したい
小さな会社は、戦う場所を変えればいい。
社長ひとりでも、会社のステージは変えられます。
Amazonにて販売中
著者紹介
上田 真司(うえだ しんじ)
中小企業診断士。MBA。コンサルティングΣ代表。大手事務機器メーカーで二十五年間、法人営業に携わったのち独立。神戸市・兵庫県の登録専門家として、製造業を中心に中小企業の営業のしくみづくりと経営改善を支援している。著書に『町工場に営業という武器が生まれた日』。