経営

原材料価格高騰への対応法~適正価格への見直し手順と実践的なアプローチ~

  • どうも、個々の企業の業務に密着したカスタムビジネス研修 “ForCus” をプロデュースしているシンジです。
    このコラムでは実践的な研修内容、その他、様々な話題を皆さんに公開していくスペースとなっております。

    *研修名 “ForCus” は “For our Customers(お客さまのために)” と “Focus(業務に焦点をあてる)” を掛け合わせた造語です


    最近、食品製造業者さまから、円安の影響で原材料価格が高騰し、商品価格の見直しを進めたいとのご相談を頂きました。適正価格への見直しには以下の手順が効果的です。

    1. 市場調査
    競合分析: 自社と同様の商品を取り扱う他社の価格を調査し、自社の価格を比較します。
    顧客調査: アンケートを実施して、お客様が受け入れやすい価格帯を探ります。
    2. コスト分析
    直接コストの算出: 原材料費や製造にかかる直接的なコストを把握します。
    間接コストの算出: 管理費や営業費などの間接コストも含めて、総コストを計算します。
    3. 価格戦略の見直し
    総コストと利益の分析: 総コストを基に必要な利益を算出し、競合価格や自社商品の独自性を考慮して、最適な価格帯を決定します。
    4. 価格設定の検討
    シミュレーション: 新価格を適用した際の売上への影響や取引減少量を考慮してシミュレーションを行い、価格を設定します。
    5. 実施計画の策定
    価格変更の案内: 取引先に対して価格変更の手順と了承を得る方法を決定します。
    説明資料の準備: 取引先に向けた説明資料を整え、価格変更の理由やメリットを説明します。
    6. 実施とモニタリング
    価格変更の実施: 新価格を適用し、販売活動を行います。
    影響のモニタリング: 新価格適用後の売上や顧客反応を継続的に監視し、必要に応じて価格戦略を調整します。
    これらのステップを踏むことで、適正価格の見直しを効果的に進めることができます。実際に支援を行っていると、自社の製品別原価が把握できず、どの商品が利益を生んでいるのか分からないことがよくあります。中には、製品を作れば作るほど損失が出る場合もあります。日々の業務に追われ、原価を明確にすることが難しいこともありますが、まずは数値を見える化し、改善に取り組んでいきましょう。

    当社では、こうした課題に対してもサポートを提供していますので、ぜひご相談ください。

    【本日のまとめ】
    ・市場調査: 競合の価格と顧客の受け入れ価格帯を調査します。
    ・コスト分析: 製品の直接コストと間接コストを算出し、総コストを把握します。
    ・価格戦略の見直し: コストと競合価格を基に最適な価格を設定し、変更後の影響をモニタリングします。


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    【おまけ】
    “原価が分からない” というご相談は多く頂きます。どこかで踏みとどまって原価を割り出す必要があるのですが、時間が無いだけではなく、その手順が分からないという事業者さんも多く、現場に入って紐解いていくこととなります。ここ数年、原材料価格は急激に上昇し、利益率を大きく圧迫している状況ですので、このタイミングで、一度、原価の割り出しに着手されることをお勧めいたします。

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