日本では改善・改良の考え方が定着しています。
カイゼンは、業務を見直し、よりよい方法を見出し、それを組織に定着させることで効果的かつ効率的な活動の実現を目指すものです。既存の活動をベースに、よりよくしていくという考え方は、職人気質な日本人に向いているのかもしれません。積み上げ思考は、実績というベースがあるため短期的な予測をする時や市場環境が良い時は、有効かつ効率的です。
しかし、よりよくできる余地があるという意味において、その活動は不完全なものであり、それを現場の力で何とかする、という見方ができます。また改善・活動の質やスピードは現場力に依存するため、現場毎に異なるプロセスが出来上がる可能性も生じ、属人的な業務が生じやすくもなります。
一方で、中長期的な予測をする時や市場の競争が激しい時、イノベーションやブレークスルーを実現したい時は逆算思考(バックキャスト思考)が必要となります。
組織が成果を出している時は、既存の取組みを優先するのは基本的によいと考えます。
であれば、市場の競争が激しい時でも成果を出せればよいのではないか、という意見もあると思いますが、成果が出なくなってから新たな活動は非常に苦しいです。
新たな活動は投資です。
皆さんの会社では、収益が減少する経営状況の中で、人件費×時間、設備やシステム投資等をどけだけ許容できますか。普通はコスト削減に向かい、縮小均衡に突入していきます。
だからこそ、経営状況が良い時にこそ、新たな活動という投資をしておくべくと、私たちは考えます。
そして、この投資は3年後の新たな収益事業となるようなものであるのが望ましいです。
このような投資をする時にこそ逆算思考(バックキャスト思考)が有効となるのです。
ということで、次回は逆算思考(バックキャスト思考)について考えていきたいと思います。