どうも、個々の企業の業務に密着したカスタムビジネス研修 “ForCus” をプロデュースしているシンジです。
このコラムでは実践的な研修内容、その他、様々な話題を皆さんに公開していくスペースとなっております。
*研修プログラム名 “ForCus” は “For our Customers(お客さまのために)” と “Focus(業務に焦点をあてる)” を掛け合わせた造語です
システム導入に関する研修を行っている際に、いつもお伝えしていますが、システムは万能薬でも何でも願いをかなえてくれる神様でもありません。逆にタイミングを誤れば劇薬になってしまいます。既存のシステムとの整合性も考慮する必要があります。
お薬の飲み合わせみたいな感じですね。
業務効率改善の相談を受けた製造業のお話です。このお客さまは納期通りに製品が完成しないという問題を抱えていました。
その会社は出入りしているコンサルタントから、解決策として生産管理システムの導入提案を受け、さらに紹介を受けた生産管理システムの販売営業から「キャンペーン価格は今月までです」と甘い言葉で誘われ、社長は契約してしまいます。
結果、月々50,000円のシステム利用料金を支払いながら、半年間も使われない状況が続きました。
原因は、現場の作業員がシステムへの入力を拒否したことです。多くの従業員が高齢で、パソコンはもちろんスマホも使ったことがない人たちにとって、突然システムへの入力を求めても手間が増えるだけで理解を得られなかったのです。
たまたま、社長からの相談を受けた私は、「ホワイトボードを4枚買ってください」とアドバイスしました。
各工程で作業した数量を手書きで管理することで、工程ごとの作業数量が見える化され、工程人員の負荷分散が可能になりました。作業がスムーズに進むことが従業員に浸透した時点で、システムの試験運用を開始し、本格的に稼働させました。
これって、いきなり、お薬を患者に処方するのではなく、まずは患者をしっかりと診断して体調不良の原因を探り、患者の体調を考慮して治療法を考えていきましょう、ってことです。
あなたの身の回りで、診断もせずにとりあえず、お薬を処方しようとしている人がいたら、要注意ですよ。
【本日のまとめ】
1)システムを導入する際には情報とモノの流れをドキュメントに落とし込む
2)次にフローを整流化し、一旦、紙帳票などでスムーズに業務が流れるかチェックする
3)システム導入は利用する従業員へ導入の背景や期待効果を丁寧に説明する
4)導入時には段階的に行う(ソフトランディングを心がける)
5)システム販売業者のセールストークに踊らされない
6)業務効率化と聞いて、いきなりシステム化というコンサルには要注意
7)必ず効果検証を行い、導入後も見直しをかけていく
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【おまけ】
システムを納品する際にお客さま先で古いシステムの電源コンセントを抜く時があります
棚の裏を見ると企業がタコ足配線であることも多く、ケーブルをたどりながら、
慎重に古いシステムのコンセントを抜きます
誤ったコンセントを抜くと、他のシステムが落ちてしまいます
しっかりと事前に確認をしたとは言え、毎回、ロシアンルーレット気分を味わうのは私だけでしょうか