経営

食品製造業の値上げ交渉: スーパーとの効果的な進め方ガイド

  • どうも、個々の企業の業務に密着したカスタムビジネス研修 “ForCus” をプロデュースしているシンジです。
    このコラムでは実践的な研修内容、その他、様々な話題を皆さんに公開していくスペースとなっております。

    *研修名 “ForCus” は “For our Customers(お客さまのために)” と “Focus(業務に焦点をあてる)” を掛け合わせた造語です


    食品製造業の事業者さまから “原材料価格の高騰、人件費負担の増大、電気料金の増加などで苦しんでいます。このため、取引先のスーパーに値上げ交渉をすることにしました。初めての値上げ交渉となるため、どのようなステップを踏んで進めればよいでしょうか” とのご相談を頂きました。

    教科書的には下記のようなステップのご案内になるでしょう。

    1. 準備を整える
    値上げを求める理由を具体的に整理しましょう。例えば、原材料価格の上昇や人件費の増加など、具体的なデータを用意します。

    2. 相手の立場を理解する
    スーパー側の立場や市場競争状況、消費者の反応を考慮し、相手の視点も理解します。

    3. 提案内容を具体化する
    値上げの幅やタイミング、影響を最小限に抑えるための具体的な提案を考えます。例えば、商品カテゴリーごとに値上げの率を設定するなどの提案です。

    4. 交渉の戦略を練る
    最初の提案額よりも少し高めに設定し、交渉の余地を持たせる戦略を練ります。また、譲歩できる部分や代替案も考慮します。

    5. 交渉の場を設ける
    交渉を行う相手との会議をセッティングします。事前に交渉の目的を明確にし、円滑な進行を図ります。

    6. 交渉を進める
    自社の立場や提案内容を明確に伝えます。相手の反応を注意深く観察し、柔軟に対応します。

    7. 合意を確認する
    最終的な合意内容を文書でまとめ、双方が納得する形で契約を締結します。

    8. 継続的な関係を築く
    値上げ後も定期的に取引先とのコミュニケーションを図り、良好な関係を維持します。

    ただし、現実的には、詳細なデータを出せない事業者も多いため、先ずは、データ収集から取り組むことになります。例えば、商品の原価が捉え切れていない事業者もいらっしゃいます。そのような場合には、最初に納品伝票や請求書を基にして仕入れ額と販売額を整理し、次に原材料の実際の投入量、作業時間、完成品の数量などを具体的な数値で把握し、商品の原価を正確に算出してゆくこととなります。

    このように、事業運営においては実務の細部に踏み込むことが重要です。商品原価を明確に把握することは、収益性の向上や適正な価格設定に直結します。AXGCでは、実績豊富なコンサルタントがこのような課題に対して経験豊富なサポートを提供します。詳細なご相談やお問い合わせは、お気軽にAXGCまでご連絡ください。

    【本日のまとめ】
    今回は原材料価格と人件費の増加に苦み、スーパーに値上げ交渉をする必要が生じた食品製造業者さまの事例取り上げさせて頂きました。交渉の準備として具体的なデータ整理と提案内容の準備が不可欠です。また、スーパーの立場を理解し、戦略的に交渉を進め、最終的に合意を文書で確認して継続的な関係を築くことが重要です。


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    【おまけ】
    製造現場で原材料の投入量を計測している時のこと、職人気質の親父さんが手作業で水を投入するシーンがありました。見ていると、ロットごとに、毎回、投入する量が異なるんです。 “先ほどは容器に一杯分だけ、水を投入したのに、なぜ、今回は1.5杯の水を投入したのか?” とお聞きしたところ、返ってきた言葉は “そりゃ、ワシの気分しだいやっ!” 。せめて、“その日の、湿度などに合わせて変えている” ぐらいの言葉が欲しかった・・・

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