最近、ある企業の本部スタッフからフロントスタッフに向けて、以下のような連絡文が送信されました。
「お客さまの課題を捉えて、最善の改善策を考える組織になるよう、みなさんの意識改革をお願いします。」
このメッセージを受け取ったフロントスタッフは、反発や苛立ちを覚えました。なぜなら、前半のメッセージは至極当然のことながら、後半の「みなさんの意識改革をお願いします」という表現が問題視されたからです。
本部とフロントの意識のギャップ
本部スタッフの意図は明確です。「顧客課題にジャストフィットした提案が必要」とのメッセージを伝えたかったのですが、フロントスタッフは日々お客さまと向き合い、問題解決に取り組んでいます。そのため、「意識改革」という言葉が出た瞬間、フロントスタッフは「本部は現場の取り組みを理解していない」と感じ、反発が生まれるのです。
このような経営層と実働部隊、特に本部スタッフと店舗スタッフの間での現状認識の不一致は、よく見られる問題です。
問題の根本原因
多くの場合、こうした軋轢の原因は以下の通りです。
分析プロセスの欠如
経営層や本部スタッフが指示や連絡事項を一方的に伝え、分析プロセスを共有しないことが多いです。このため、フロントスタッフは自身の取り組みが評価されていないと感じることがあります。
短絡的な判断
経営層が目の前の問題に対処するあまり、深い分析を行わずに解決策を提示すると、現場の実情を無視した指示が出てしまいます。フロントスタッフの中には、実際に解決したい課題があるにもかかわらず、経営層の意図を理解できない状況が発生します。
組織の健全性を保つために
このようなコミュニケーションの問題は、最終的には組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。経営層が「営業力を強化しよう」と指示を出しても、フロントスタッフのモチベーションが低下し、逆に営業力が減少する恐れがあります。
連絡文や通達は小さなものであっても、積み重なることでフロントスタッフが本部からの指示を軽視する原因となります。この結果、「理不尽な指示にはもうこりごり」と感じるスタッフが出てきてしまうかもしれません。
フロントスタッフの役割と意識改革
もちろん、情報受信者であるフロントスタッフにも問題がある場合があります。実務に没頭し、部分最適に走ってしまうことがあるため、全体最適の視点を育成する必要があります。経営層や本部組織からの指示を理解する素地を作ることが重要です。
もし、今回の問題が自社にも当てはまると感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。当社では以下のような支援を行っています。
▶ フロントスタッフと本部スタッフを交えた業務改善プロジェクト会議の推進
▶ フロントスタッフが経営者視点で問題を捉えるための教育・研修
▶ 経営層や本部スタッフが問題を見出し、課題を設定し、施策を展開するための教育・研修
▶ 従業員意識調査の実施
これらの取り組みを通じて、社内コミュニケーションを円滑にし、組織力を強化します。ご相談企業様の実情に合わせた個別メニューもご提供いたしますので、お気軽にお声掛けください。
店舗サービスの品質維持・向上についてご相談がございましたら、ぜひご連絡ください。経営陣の目に触れるお客さまからの不満の声はほんの一部です。背後にある全体像を捉えて、対策を講じていく必要があります。
当社は、ご相談企業様の中で、お客さまの声の分析から施策立案、実行管理に至るまでの組織づくりを支援しております。自走できる組織を目指し、ご相談企業様のご担当者や関連部門と共に改善組織を構築していきます。
組織力強化に関するご相談をお待ちしております